某研究施設に勤務する研究者です。研究や趣味の麻雀のこと。

天鳳成績管理ツール
最終更新 2011-03-04

当ブログのデータ等を転載したい場合は筆者まで一報願います。

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牌譜解析記事まとめ
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【牌譜解析】ワンチャンスはどのくらい危険?
こんにちは、HAZです。
例えば7巡目に上家から先制リーチが入ったとして、自分の手牌を2ケース想定してみました。特に条件のない平場です。
b0126381_18514683.jpg
(1)4pは場に1枚も見えていない。南は場に1枚切れで、中は初牌。
b0126381_18521816.jpg
(2)4pは場に3枚見えている。南は場に1枚切れで、中は初牌。
b0126381_18583955.jpg
リーチ者はこのような捨牌で、2ケースともに先制リーチを受けて自分の手は3シャンテンだけど、安牌が1枚もありません。

場に1枚切れの南は最も安全そうですが、字牌の安全度については記事の後半で触れるとして、今回はワンチャンスに注目してみたいと思います。この2ケースにおいて、自分から3枚見えている4pの外側にある3pはどのくらい危ないのでしょうか。

そもそもワンチャンスとは、自分からある数牌が3枚見えならば、残りの1枚をリーチ者が持っていない限りその牌を使ったメンツを作れないので、マタギスジ待ちなどの可能性は比較的低いだろうとする考え方です。さて、このワンチャンスは一体どのくらい信用できるものなのでしょうか?冒頭の例のように、(1)自分で暗刻持ちのワンチャンスのケースと(2)場に3枚切れのワンチャンスのケースを調べてみました。
b0126381_1915018.jpg
この図は先制リーチを受けて、自分で暗刻持ちのワンチャンス時におけるラス牌の居場所を巡目ごとに示したグラフです。なお、ワンチャンスのマタギスジはリーチには通っていないケースを抽出しています。
(※解析データ:天鳳鳳凰卓牌譜104万6024局)

まずは全体を3色に色分けされた部分に注目してみましょう。
ワンチャンスの残りの1枚は必ずこの3色のどこかにあります。
山に残っているか(オレンジ色)、リーチ者以外の他家の手牌か(薄黄色)、リーチ者の手牌(ピンク色)の3つです。この図はその可能性を表しています。

巡目を追って見ていくと、序盤ならば50~70%程度の確率でラス牌は山に残っていて、リーチ者が持っている確率は15%以下です。しかし、巡目が進むごとに山はどんどん短くなっていくので、ラス牌が山に残っている割合(オレンジ色)は小さくなっていき、終盤で山に残っている確率は約30%以下になります。逆にリーチ者が持っている可能性は巡目とともに緩やかに上がっていき、終盤で30%程度に達します。終盤になって自分で暗刻持ちのワンチャンスのときは、3~4回に1回はリーチ者にラス牌を持たれています。

次に、赤丸で示したデータを見てみましょう。これは自分がワンチャンス条件の牌を切った場合に放銃(マタギスジのリャンメン待ち以外も含む)する確率を示しています。ラス牌がリーチ者の手牌にある可能性の増加とともに放銃する確率も高くなっていくのが分かります。では次に、場に3枚切れのケースを見てみましょう。
b0126381_195957.jpg
この図は先制リーチを受けて、場に3枚見えている(リーチ者の現物でない)ワンチャンス時におけるラス牌の居場所を巡目ごとに示したグラフです。

同じワンチャンスでも自分で暗刻持ちのケースとは全く違います。
序盤ならば60%程度の確率でラス牌は山に残っていますが、それでもリーチ者が持っている確率は既に20%を超えています。巡目が進むと山に残っている割合は低下していきますが、それに伴ってリーチ者が持っている可能性もどんどん高くなっていき、中盤で30~40%、終盤では50~70%程度にも達します。場に3枚切れのワンチャンスのときは、中盤で3回に1回程度、終盤では2回に1回はリーチ者にラス牌を持たれているんですね。ワンチャンス条件の牌を切った場合に放銃する確率(赤丸)は自分で暗刻持ちのワンチャンスに比べて1.5倍くらい高くなります。

危ない!場に3枚切れのワンチャンスは危ない!

※追記:2011-08-28
同じワンチャンスでもなぜこのような違いが出てくるのでしょうか?
場に3枚見えでリーチ者の現物でないということは、場に見えている3枚は、基本的に先制リーチが入る以前にリーチ者以外の他家もしくは自分が切った牌ということになります。(フーロ時に手牌から晒したなどのケースもありますが)

以前の記事「序盤の捨て牌って重要な情報か?」に他家の捨牌と手牌構成の関連についてまとめてあります。序盤ではある数牌を切った場合、もう1枚同じ牌を手牌に持っているケースというのはとても少ないのです。

そのため最終的にリーチ者以外の他家の手牌にはないケースが多い(薄黄色の領域が小さい)ので、ラス牌は、山にあるか、リーチ者の手牌のいずれかにあるケースが相対的に大きくなるんですね。


まあ、ワンチャンスで放銃する確率については、この数字だけ見てもよく分からないので、他の牌の危険度と比べてみたいと思います。
b0126381_19103721.jpg
この図はリーチに対してある牌を切って放銃する確率(無スジ牌、ワンチャンス牌、ノーチャンス牌)をリーチ者に通っているスジの数ごとに示したグラフです。横軸はリーチ者に通っているスジの数で最大18本となります。縦軸は放銃する確率で、メンゼンリーチの場合は入り目があるので基本的に50%以下となります。

まずは、点線で示した4つのデータから見てみましょう。これらは無スジの牌で放銃する確率です。このような無スジ牌は通っているスジが少ない場合は危険度の増加は緩やかですが、逆に残りスジ数が少なくなってくると新しいスジが通るたびに急激に危険になってくるのが分かります。また、牌の種類別に見ると、無スジ19牌<無スジ28牌<無スジ37牌<<<無スジ456牌の順になっています。青丸で示した無スジ456牌は最も危険で、通っているスジが少ない状態(4本以下)で約10%、10本以上になると約20%を超える確率で放銃します。

では次に、黒丸と赤丸で示した2つのワンチャンスのデータを見てみましょう。まず自分で暗刻持ちのワンチャンス(黒丸)で放銃する確率は、無スジ19牌よりも中盤で3~5%、終盤で5~10%程度低いです。安牌がなくて、壁のない無スジの19牌を切るくらいなら自分で暗刻持ちのワンチャンスの牌を切った方が安全です。一方で場に3枚切れのワンチャンス(赤丸)は非常に危険なのが分かります。無スジ19~37のデータと大体重なっていますので、場に3枚切れのワンチャンスは456以外の無スジ牌と同じくらい危険だということになるんですね。

参考までにノーチャンスのデータを赤の三角で示しました。ノーチャンスで放銃する確率は、通っているスジが12本以下であれば4%以下で、当然のことながらワンチャンスより圧倒的に安全です。せっかくですから、他の牌とも比べてみます。
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この図はリーチに対してある牌を切って放銃する確率(スジ19牌、28牌、37牌、中スジ456牌)を示したグラフです。基本的に無スジ牌と比べてそれ以外の牌で放銃する確率は低いので、図の縦軸を0~15%の範囲に拡大しています。

中スジ456牌以外のスジ牌で放銃する確率は約2%程度の差ではありますが、スジ19牌(黒丸白抜き)<スジ28牌(緑丸)<スジ37牌(オレンジ丸)の順になっています。基本的にワンチャンス(黒丸・赤丸)の牌を切るよりもスジを切った方が放銃は避けられるようです。(但し、自分で暗刻持ちのワンチャンスの場合は、通っているスジが6本以下ならばスジ37牌よりワンチャンスの方が安全です。)

それ以外にこの図から分かるのは、スジ19牌<ノーチャンス<スジ28牌ということと、中スジ456牌は相当安全な部類で、ノーチャンスとほぼ同じと思って良いんですね。(但し、残りスジが6本未満になったら、中スジ456牌よりノーチャンスの方が危険です。)

では最後に字牌とも比べてみたいと思います。
b0126381_19213064.jpg
この図はリーチに対してある牌を切って放銃する確率(初牌の字牌、場に1枚切れの字牌)を示したグラフです。なお、「初牌の字牌」とは場に0枚で自分が1枚持っている牌を切った場合、「場に1枚切れの字牌」とは場に1枚見えで自分が1枚持っている牌を切った場合を表します。

青の四角のデータは初牌の字牌を表しています。初牌の字牌で放銃する確率は自分で暗刻持ちのワンチャンス(黒丸)より低いですが、ノーチャンスよりは危険です。一方で、場に1枚切れの字牌(緑色の四角)はかなり安全でノーチャンスの方が危険です。ワンチャンスより初牌の字牌の方が安全なので冒頭の手牌からオリるなら、南(1枚切れの字牌)→中(初牌)→3p(ワンチャンス)の順が良いようですね。

今回はワンチャンスについて調べました。
同じワンチャンスでも自分で暗刻持ちのケースと場に3枚切れのケースでは全然危険度が違うんですね。ただ、今回は単に放銃する可能性としての解析でしたが、例えば初牌の字牌が役牌だったとして、放銃する確率がワンチャンスより低くても、これで放銃した場合に打点が上がる可能性まで考えると、局収支と同様に放銃時の収支として調べる必要があるかもしれません。う~ん、掘り下げる要素は色々あって、とても面白いですね。
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by doraaka | 2011-08-26 19:51 | 牌譜解析
【牌譜解析】鳴いた時の手出し牌は要チェック?
※更新情報(2011-08-12)
チーテン・ポンテン時のソバテン率について、フーロ者の捨牌に手出し近隣牌がない場合の解析に加え、これとは逆にフーロ者が既に手出し近隣牌を切っている場合の結果を追加しました。


こんにちは、HAZです。
暑い日が続きますが、みなさん如何お過ごしでしょうか。
さて、例えば下のような仕掛けが入ったとします。特に条件のない平場です。
b0126381_1720440.jpg
1フーロ目に發をポン、そして11巡目に7pをチーして打6sだったとします。
今この鳴きによってテンパイしたと想定します。するとこのとき手牌から出てきた6sの近隣ってどのくらい危険なのでしょうか。

俗に「チーテンにソバテンあり」と言われます。今さら僕が説明するようなことではありませんが、これは下の手牌のような完全イーシャンテン形をはじめ、複合形に構えた場合に起こる状態です。
b0126381_17203633.jpg
この手牌からピンズをチーした場合に、手出しの6sのマタギスジ待ちになります。逆にソウズをチーした場合は仕掛けた部分の余剰牌として6sが打たれるので、その周辺は比較的安全になると言われています。
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この図はチーテン時の手出しが仕掛けたメンツとは別の色の数牌だった場合にその近隣(マタギスジまたはスジ)がアガリ牌となる割合(フーロ者の捨牌に手出し近隣牌がない場合)を巡目ごとに示したグラフです。なお、マタギスジがアガリ牌になるケースとは、マタギスジに該当する牌が当たるという意味で、マタギスジのリャンメン待ちだけではありません。
(※解析データ:天鳳鳳凰卓牌譜104万6024局)

巡目が深くなるほどにチーテン時のソバテンのケースが増えて、中盤以降では50~60%の割合で手出し近隣牌がアガリ牌になります。参考までにメンゼンリーチ時に宣言牌の近隣が当たるケースを黒丸で示してあります。いわゆるソバテンリーチです。最もリーチが発生する中盤で30%程度、終盤で40%弱の割合でソバテンに当たり、決して低くはありません。

さて、このソバテンリーチとチーテンのソバテンを比べるとなかなか面白いです。チーテン時に手出しの近隣が当たる割合は中盤以降でリーチの2倍弱程度もの違いがあります。チーテンは鳴きによって入り目を晒してしまうことになりますが、メンゼン手の場合は入り目が他家に分かりません。だからその分仕掛けた手の方が手出し牌の近隣が危険となる様子がこのような差ではっきりと現れてくるんですね。ふむふむなるほど。

ちなみに中盤以降のリーチ宣言まで持たれていた数牌が手牌構成に関連する牌である確率は実測で90%近くまで及ぶので、ほぼ手牌に関連牌があると思ってよいです。

なお、これとは逆にフーロ者の捨牌に手出し近隣牌がある場合の結果はこちらです。→ http://pds.exblog.jp/pds/1/201108/12/81/chiten3b.jpg

既に近隣牌が切られている場合はそうでない場合と比べて、ソバテン率は低下しますが、それでも中盤以降は35~40%程度の割合でソバテンなんですね。
※2011-08-12: 捨牌に手出し近隣牌がある場合の結果を追加

b0126381_17203633.jpg
次に、ポンテンの場合はどうでしょうか。例えば、上の例のような完全イーシャンテン形から8mをポンすると、ソウズで雀頭を固定するために7sが出ていき、その結果待ちは手出し近隣牌とは無関係になります。俗に言う「ポンテンにソバテンなし」というやつです。
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この図はポンテン時の手出しが仕掛けたメンツとは別の色の数牌だった場合にその近隣(マタギスジまたはスジ)がアガリ牌となる割合(フーロ者の捨牌に手出し近隣牌がない場合)を巡目ごとに示したグラフです。

1フーロポンテン時のソバテン(青丸)はチーテンより15~20%近くも低いですが、2フーロ(オレンジ丸)、3フーロ(赤丸)のポンテンになるとフーロ数とともにソバテン率は上がって行って、2フーロ以上のポンテンだと中盤以降は約50%以上の確率でソバテンなので、これはもはやチーテン時の危険度とほとんど変わりません。これはつまり実際には冒頭の例のような完全イーシャンテンに構えられるケースばかりではないということでしょう。

また、チーテンと同様にフーロ者の捨牌に手出し近隣牌がある場合の結果はこちらです。→ http://pds.exblog.jp/pds/1/201108/12/81/ponten3b.jpg

やはり既に近隣牌が切られている場合はそうでない場合と比べて、ソバテン率は低下しますが、それでも中盤以降は35~40%程度の割合でソバテンとなり、これもチーテン時の割合と同程度になりますね。
※2011-08-12: 捨牌に手出し近隣牌がある場合の結果を追加


ところで、ここまで鳴きによってテンパイしたことを前提として話を進めてきました。しかし、実際にはテンパイしたかどうかは分かりません。そこで最後に、鳴きによってどの程度テンパイしているのかの目安を見てみたいと思います。
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この図はフーロした時点での巡目ごとのテンパイ率を示したグラフです。序盤1フーロでのテンパイ率(青丸)は20%以下で、中盤に入ると上昇して10巡目の鳴きで40%に達し、終盤で50%を超えました。2フーロでのテンパイ率(オレンジ丸)は序盤から急激に上がります。6巡目で既に40%を超え、中盤10巡目以降の2フーロは約70%テンパイしています。3フーロ(赤丸)は序盤を除いて約90%テンパイしています。

これは単純にフーロ時点でのテンパイ率を調べただけなので、僕は個人的に大雑把過ぎてあまり好みではないのですが、実戦では捨て牌などからもう少し他の情報が得られることも多いはずです。これについては以前の記事「ドラ切ってきたらどのくらいヤバイ?」で述べたように、牌の切られ方でイーシャンテン気配やテンパイ気配の濃淡は現れますので、こちらと合わせることで実戦的に使えるかなと思います。

(※最後のフーロ数とテンパイ率の関係については、フレディさん他匿名1名より関連するリクエストがありました。)
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by doraaka | 2011-08-09 23:20 | 牌譜解析


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