某研究施設に勤務する研究者です。研究や趣味の麻雀のこと。

天鳳成績管理ツール
最終更新 2011-03-04

当ブログのデータ等を転載したい場合は筆者まで一報願います。

S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
牌譜解析記事まとめ
過去記事へのリンクをまとめています。

カテゴリ
以前の記事
<   2011年 09月 ( 2 )   > この月の画像一覧
【牌譜解析】チートイドラドラはリーチ?
こんにちは、HAZです。
七対子をテンパイした2つの手牌で、特に条件のない平場です。
(1) 子6巡目ドラ2p
b0126381_18141959.jpg
(2) 子6巡目ドラ2p
b0126381_18144132.jpg
(1)はドラドラ含み、(2)は西を切ってドラ単騎待ちにすると両方ともダマで出アガリ6400点あります。さて、この2つの七対子はそれぞれリーチとダマ、どっちなんでしょう。

今回は七対子ドラドラまたはドラ単騎の手牌のリーチについてです。ダマで6400をリーチして8000まで打点を1600点上乗せするメリットはどのくらいあるのでしょう。局収支、和了率、ツモ和了率などいくつかの視点で調べてみました。

(1) ドラ対子がある七対子を先制テンパイした場合
b0126381_1938425.jpg
この図は既に手牌ドラ対子がある七対子を先制テンパイ時にダマにした場合とリーチした場合の局収支を示したグラフです。
(※解析データ:天鳳鳳凰卓牌譜224万3780局 ← 解析も超大変w)

七対子ドラドラはリーチすれば出アガリでマンガン、ツモでハネマンになる勝負手です。一方、出アガリ打点を考えると、既にダマで6400点の手を1600点加算のためにリーチ宣言するメリットがどの程度かがポイントですが、なんと局収支はリーチを打った方がどの巡目でも2000点程度も高くなります。出アガリ打点自体の差は1600点ですから、これは圧倒的な差です。

では、どうしてこんなにも大きな差が現れるのか掘り下げてみましょう。
b0126381_19193410.jpg
この図はそれぞれケースでの自分がアガった割合と自分以外の他家3人のうち誰かにアガられてしまった割合を示しています。まず最初に青色のデータから見ましょう。これはダマ(白抜き)とリーチ時(青塗り)における自分がアガった割合です。

なんとリーチした方が和了率が高い!

9巡目までのリーチなら50%以上の確率でアガれています。該当する牌譜をいくつか見ましたが、もちろん何でもリーチすればよいというわけではないようです。七対子は単騎を自由に選べるので、状況に応じて拾いやすい待ちにしてリーチを打った方がむしろアガれるんですね、ふむふむなるほど。

次に、赤色のデータを見てみましょう。これは残念ながら自分がアガれずに他家3人のうち誰かにアガられてしまった割合を示しています。七対子はダマにしていると、終盤を除いて他家にアガられてしまう確率が15%近くも高くなってしまいます。これは以前の記事「【牌譜解析】局収支が最大となる攻撃は?(その2)」でまとめたように、愚形テンパイをダマにしていると、他家に自由に手を進められて、そのままアガられてしまう確率がアップしてしまうという理屈と同じですね。なるほど打点、和了率、他家にアガられてしまう確率の全ての面でリーチ有利では局収支に打点以上の差が現れるワケですね。では次に、ドラ単騎待ちのケースを見てみましょう。

(2) 七対子のドラ単騎待ちをを先制テンパイした場合
b0126381_19372211.jpg
この図は七対子ドラ単騎待ちを先制テンパイ時にダマにした場合とリーチした場合の局収支を示したグラフです。序盤から中盤にかけて500~1000点くらいリーチの方が局収支は高いですが、先程の既にドラ対子があるケースと比べると、ダマにしろリーチにしろ局収支がグンと下がってしまいました。序盤のリーチでも3000点程度なんですね。参考までにドラのない七対子のみをリーチした場合の局収支を緑色のデータでプロットしています。冒頭の手牌からドラを切ってリーチしても、ドラ単騎の七対子の局収支と同じくらいになるんですね。
b0126381_1921075.jpg
同じようにこちらも和了率を分析してみます。青色のデータ(自分がアガる割合)から見てみましょう。こちらはリーチすることによって全ての巡目において和了率が5~10%程度低下しています。リーチがかかればドラがどのような牌であっても簡単には打たれません。手牌にドラ対子がある場合に比べると全体的に和了率が半分くらい下がるんですね。しかし、赤色のデータ(他家3人の誰かにアガられる割合)を見ると、やはり終盤以外ではリーチを打った方が他家のアガリを5~10%は避けられるようです。ドラ単騎でも自分のアガリを最大限に拾いたければダマ、他家にアガらさせたくなければリーチという感じでしょうか。

なお、ドラのない3200点リーチの和了率は(1)のケースのリーチ時和了率とほぼ同じになります。こちらは上で示したようにドラ単騎の局収支と大して変わらない上に、単騎を選べるメリットで和了率は2倍近く上がるので、マンガン以上が必要な局面でなければドラを切ってアガリ易い単騎でリーチというのもアリでしょう。
b0126381_9311670.jpg
この図は先制テンパイした七対子ドラ単騎待ちをアガった場合のツモ和了の割合を巡目ごとに示したグラフです。リーチした場合は易々とドラは出ませんから60%以上の確率でツモ期待になります。言いかえれば、七対子ドラ単騎リーチをアガるときは6割以上ハネツモになるんですね。参考までにダマの場合も全部ひっくるめてプロットしていますが、おそらくこちらはドラ牌の種類によって多少なりとも出やすさは変わるかもしれません。

今回は七対子ドラドラの手牌のリーチについて調べました。
ところで裏ドラについては今回触れませんでしたが、七対子はドラがなくてもリーチしてツモって裏ドラが乗ればハネマンになります。
b0126381_18181083.jpg
例えば、ハネマンが欲しい局面(例えばドラは2p)で4巡目にこんな手牌で早々に七対子のみをテンパイしてしまった場合は、ドラを引くまで待つよりも、このままリーチしてツモ裏ドラを期待する方がハネマンになりやすいという話を聞いたことがあります。確かに(2)で示したように、ドラ単騎待ちのケースの局収支はドラのない七対子のみのリーチの場合とほとんど同じなのでそうなのかも知れませんね。これはドラの見えている枚数はもちろんのこと、そもそも七対子はどのくらい裏ドラが乗るのかってところがポイントだと思います。個人的にちょっと興味あるのでこっそりやってみようかなw

(今回の記事後半のドラ単騎待ちについては、りんかーんさんからのリクエストがありました。)
[PR]
by doraaka | 2011-09-28 20:09 | 牌譜解析
【牌譜解析】安全牌ゼロでの端側のアンコ落としは有効?
こんにちは、HAZです。
(A) これは福地誠氏の「ネット麻雀・ロジカル戦術入門」に掲載されている暗刻落としの牌姿を少し変えたものです。4巡目に先制リーチが入った局面で捨牌も字牌と端牌だけで、手牌にはドラもなく現物が1枚もありません。
b0126381_2034143.jpg
(B) 次は上の牌姿をさらにちょっと変えたものです。
b0126381_20342070.jpg
さて、このようなリャンシャンテンの手牌から、どうせ全て危険牌なんだからと真っすぐ行かずに、1mまたは2mの暗刻落としに行くのは有効な守備と言えるのでしょうか。

今回は先制リーチを受けて現物が1枚もない場合の端側の無スジ(19牌または28牌)の暗刻落としについて調べてみました。暗刻落としの本意は1枚通すことで3巡の安全を保証されるからという考え方です。ではまず最初に、そもそも無スジの暗刻というのはどれくらい危険なのか見てみましょう。
b0126381_18575344.jpg
この図は先制リーチ1件を受けて現物が1枚もない局面で、暗刻の無スジ牌を切った場合と暗刻でない無スジ牌を切った場合に、その打牌そのもので放銃となる割合(9巡目まで)を示したグラフです。
(※解析データ:天鳳鳳凰卓牌譜224万3780局 ← 解析も超大変w)

赤のデータと青のデータは、それぞれこれは自分の手牌のうち暗刻または暗刻でない無スジ牌を切った場合に、その牌で放銃となる割合を牌の種類ごとに示しています。どちらのケースも内側の数牌ほど無スジ牌の危険度が上がっているのが分かります。

さて、暗刻の牌がどのくらい危険なのかは、これらの2つを比べることで分かります。なるほど確かに全体的に見て赤のバーの方が長いのが分かります。でも37または456牌の無スジ暗刻の放銃率に比べると、端側の牌ほど差が小さくなっています。19牌に至っては暗刻であるか否かは危険度にほとんど影響しないようです。

だから冒頭の牌姿(A)からオリるなら、何も情報がなければ1mを切った方が良いようです。牌姿(B)では暗刻の牌が2mです。上のグラフから同じ28牌ならば暗刻の牌の方が危険なので、とにかく今この瞬間の放銃を最大限に避けようと思ったら、暗刻でない2pまたは8pを切った方がよいということになります。

でも、ここでの本当の問題は、今この瞬間を切り抜けることではなく、「少々その牌が危険であっても、もしこの牌が通れば最低3巡は凌げるから」というのが暗刻の牌に手をかける本意です。もちろん、その牌で放銃してしまえばそれまでですが、その局の終わりまで見た場合に暗刻落としはどの程度有効なのでしょうか。
b0126381_18592631.jpg
この図は先制リーチ1件を受けた局面で、現物が1枚もないリャンシャンテン以前の手牌の場合に最終的に放銃してしまった割合を巡目ごとに示したグラフです。

まず、緑丸と青丸のデータから見てください。
これは、この局面で自分の手牌から暗刻でない無スジの19牌または28牌を切った場合に最終的に放銃した割合を示しています。両方とも巡目が深くなるにつれ放銃した割合が減っていくのが分かります。「最終的に放銃した割合」というのは、最初に手をかけた無スジ牌自体による放銃はもちろん、この牌がリーチ者に通ったとしても終局までに放銃してしまった割合を表します。

次に、赤四角と青四角のデータを見ましょう。
これは、この局面で現物はもちろん、スジ、ノーチャンス、ワンチャンスすら1枚もなく、かつ手牌に無スジ19牌(赤四角)または28牌(青四角)の暗刻がある場合に、それぞれの暗刻の牌を切ったとき最終的に放銃した割合を示しています。19暗刻を切った場合も28暗刻を切った場合も最終的に放銃する確率は5~10%程度であることが分かります。これを緑丸や青丸のデータと比較してみると、同じ無スジ牌でも端牌の暗刻から切った方が最終的に放銃となる確率は約半分程度に抑えられています。

但し、実はこの結果の解釈はそれほど単純ではありません。このような手牌の場合にはシャンテン数は高くても全て危険牌である以上真っすぐアガリに向かったケースがあるからで、特に暗刻落としをしない方にこの偏りがあります。しかし、このような姿勢の違いはあるにしても、実際問題として、上の図の下側のグラフ「最終的に和了した割合」から分かるように、この状況からの和了率は序盤で10%以下、中盤以降は5%以下ですから、アガるより放銃してしまう可能性(10~20%)の方が2倍くらい高いんですね(真っすぐ行ったケースだけを選んでも放銃率と和了率の両方が上がることが予想できます)。
b0126381_9312887.jpg
この図は先制リーチ1件を受けた局面で、現物が1枚もなく、ある無スジ牌を通した場合にその3巡後の手牌にあるリーチ者の現物枚数(メンゼン手)を巡目ごとに示したグラフです。

暗刻でない無スジ牌(青丸)を切った場合の3巡後の手牌にある現物は約1.5枚程度、暗刻の無スジ牌(赤四角)を切った場合は序盤で約2枚、中盤以降で約3枚になっているのが分かります。期待してもよい現物枚数に2倍程度の差がありますね。

ここで青丸のケースでも現物1.5枚くらいは期待してよいのかと思うかもしれませんが、このグラフの見方には注意が必要です。暗刻牌を切った場合は、リーチ者のツモアガリや横移動がない限り、基本的に3巡後がやってきます。しかし、青丸のケースは次巡にも再び危険牌を勝負しなければならない可能性があるのです。そんな状況の中で3巡生き残った上で手牌にある現物枚数を示しているので、単純に枚数の差以上に違いがあると言えます。

今回は安全牌ゼロのときのアンコ落としの有効性について調べてみました。
ベタオリならアンコ落としが結構有効だということが分かりましたが、こういった手牌のときはとりあえず数巡真っすぐ行くというのが本当に無謀な戦術なのかどうかはもう少し考えてみたいと思っています。今回のようなリャンシャンテン以前はともかく、おそらくイーシャンテンなどは、本来オリの基準でもオリるべき牌がないことと1手で追いつく状況などを考慮すると、打点などによって分岐点が出せるかもしれません。

最近、本業が忙しいです。
来月も中旬まで外国出張があって時間があまり取れない状況ですが、最低でも月1本くらいは記事を更新していきたいなと思います。
[PR]
by doraaka | 2011-09-22 00:32 | 牌譜解析


その他のジャンル
Twitter
記事ランキング
画像一覧
AX